iDeCo再加入は必要か?将来の年金額について計算する!

iDeCoの退職金控除

私のように想定より早めに退職した人には、「iDeCoの19年ルール」という制度が将来大きな影響を与える可能性があります。

このルールは、会社の退職金を受け取ってから19年以内にiDeCoの一時金を受け取ると、退職所得控除が1度しか使えなくなるというものです。

裏を返せば、

会社からの退職金を受け取って「20年以上経って」から「iDeCoの一時金を受け取る」と「再び退職所得控除が使える」

ということです。

 

私の状況に当てはめて考える

現在、iDeCoを一時金で受け取れるリミットは70歳です。

50歳以降に退職した場合、このルールを活用するための20年という時間の確保が出来ません。しかし、私は40代前半で会社を辞めているため、このルールを活用する可能性が残されています。

また、iDeCoの退職所得控除は、以下の通り会社での退職金控除における「勤続年数」を「加入期間」に置き換えた形で計算されます。

①加入期間20年以内だと40万円×加入期間(年数)。

②加入期間21年以上だと800万円+(加入期間(年数)-20)*70万円

私の場合、2007年からiDeCoに加入しており、退職までの加入期間は17年です。

この場合のiDeCoにおける退職所得控除額は40万円×17年=680万円となります。

さらに、退職後もiDeCoに加入し続ければ、加入期間を延ばすことができ、控除額も増やせます。

ただし、この加入期間には注意点があります。

掛け金を払っている「加入者」の期間はカウントされますが、今の私のように掛け金を払わずに運用だけ続ける「運用指図者」の期間は加入期間にカウントされません。

 

現状の選択肢

私は現在、国民年金を免除しているため、iDeCoの「加入者」となることが出来ず、加入期間がストップしている状態です。

再び加入期間を延ばすためには、国民年金の免除を解除して、掛け金を支払う必要があります。

ここで考えるべき選択肢は次の2つです。

国民年金の免除を辞め、掛け金を支払いiDeCoの加入期間を延ばす

②免除を維持し、運用指図者を継続する

はたしてどちらが得になるのでしょうか?

 

計算して検証

上記の選択肢を比較するために、以下の条件を設定して計算してみました。

iDeCo運用額:700万円(私の現状額)

②受け取り時期:65歳(19年ルール適用できる時期)

国民年金加入コスト:月16980円(65歳まで払うと412万円の支出)

④③を支払うことにより、65歳以上の年金は月々34762円増える

⑤現状の控除額は680万円、iDeCoに再加入して65歳まで運用した場合、加入期間を37年間として、控除は1990万円とする。

 

この条件を使って、期待リターンと生存年齢でiDeCo再加入の有無での差額を表にしてみました。

*65歳での差額=(iDeCo有の一時金)-(iDeCo無しの一時金)-412万円(国民年金の支出)

 つまりこれがプラスとなればiDeCo有の方がお得。

 それ以降はどこまで生きるかに合わせて年金の増額分を加えて計算している。

こうするとiDeCoに再度加入して、70歳まで生きればもらえる年金が増える分も考慮しておおよそお得な計算。

また期待リターンが8%(年間当たり)と見積もれれば65歳時点ですでにお得となる。

 

結論:再加入はしないという判断

上記表を眺めて、私は以下の理由からiDeCoへの再加入を選択しないことにしました。

①高いリターンが達成できた場合

iDeCo加入が初年度からお得となる年利8%を達成できた場合、他の運用資産が十分なリターンを出しているので、退職所得控除に頼る必要がまったくない。

②低リターンだった場合

得するために長生きする必要がある。ただし、歳を取ってから月々34000円増やすために、今の年齢で22000円(年金支払い+iDeCo掛け金)支出する必要があるが、価値が違い過ぎる。それなら若いうちに使える額として月々22000円上乗せした方が良いと思う。

③年金制度への不信感

そもそも年金制度の見通しが不安定すぎる。

もらえる年金額や19年ルールに改定が入った瞬間に上記表の内容が赤字方向にしか動かない。それなら②のように現時点で使える額として上乗せしておいて、NISAなどに入れておいた方がリターンが安定するはず。

以上の結果から私はiDeCoへの再加入はしません。その分のお金を月々の生活費として計算して使っていきます。

 

注意点:あくまで私の場合の結果であり、運用資産によって結果が異なる場合があります。ぜひ、自分の条件で計算し、最適な選択を見つけてください。