
40代、無職生活を続けている私ですが、先日BTCを誤売却したと報告しました。
その件をきっかけに、暗号資産の税制について改めて調べたので、備忘も兼ねて整理しておきます。
暗号資産の利益計算で重要になるのが、取得価格の計算方法です。
暗号資産の利益計算
当たり前ですが、暗号資産の税金は、売買によって得られた利益に対して課税されます。
利益の計算式は
です。
ただし暗号資産の場合、この取得価格の計算方法が少し特殊になります。
暗号資産では、取得価格を計算する方法として次の2つがあります。
- ① 総平均法
- ② 移動平均法
株式や投資信託では取引ごとに平均取得単価を更新する考え方(移動平均法に近い考え方)ですが、 暗号資産ではどちらの方法を使うかを選択することができます。
評価方法の届出
選択できると言いましたが、個人で暗号資産を扱う場合、上記②の移動平均法を使うには税務署への届出が必要になります。
国税庁の資料でも、次のように説明されています。

出典:国税庁HP「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和7年12月)」より
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/
この資料の(注)2にもある通り、
個人の場合、評価方法の届出を提出していないと、評価方法は「総平均法」になります。
私の場合
正直なところ、私はさきほどまで上記の届出制度の存在を把握していませんでした。
当然ながら、評価方法の届出も提出していません💦
つまり私の場合、暗号資産の利益計算は総平均法で行うことになります。
総平均法とは簡単に言うと、
その年(1/1~12/31)の購入価格の平均で取得単価を計算する方法です。
株式や投資信託に慣れていると少し感覚が違いますが、 届け出をしない限り、暗号資産を個人で扱う場合には、この方法がデフォルトになります。
*ちなみに今までの確定申告では、アルトコインの売却はあったものの、 暴落等により利益は得られておらず、特に問題なし。 今回BTCの誤売却で初めて利益発生して調べた次第です。
総平均法と移動平均法の計算例
文章だけでは分かりにくいので、簡単な例で見てみます。
例:ある年の1/1~12/31において、BTCを次の順番で取引したとします。
- ① 1BTCを300万円で購入
- ② 1BTCを600万円で売却
- ③ 1BTCを500万円で購入
● 移動平均法の場合
移動平均法では、取引ごとに平均取得価格を更新します。
①の時点では取得価格は 300万円。
②で売却した場合の利益は
となります。
③で購入したBTCはそのまま保有しているため、利益の計算には関与しません。
株式や投資信託ではこの考え方が一般的です。
おそらく投資をしている皆さんにとって、違和感がない計算でしょう。
● 総平均法の場合
総平均法では、その年に購入した暗号資産の平均取得価格を使います。
この年の購入は①と③
- 300万円
- 500万円
なので平均取得価格は
この取得価格を使うと、②の売却の利益は
になります。
このように、売買のタイミングによっては計算方法の違いによって、 同じ取引でも利益計算が変わることがあります。
ちなみに私は同じ取引内容で利益が変わることがしっくりこず、何度か検算しましたが、 最終的な売買(例えば翌年に残りを全部売却など)まで含めて考えると、 最終的な利益は同じになります。
二つの計算法の違いは、年単位で見て、利益の発生タイミングがずれるイメージになります。
売却前に理解しておくべきこと
私の場合は、誤売却してしまったものの、 最終的な利益は年内の今後の売買(主に購入)によって変わる可能性があります。
総平均法というルールによって、取得価格が上下する可能性があるためです。
移動平均の考え方では、売却取引時に利益が確定し、 その後の購入はそれまでの利益には影響しないのですが、 総平均法ではそうはならないのが大きな違いです。
例えば、年内に暴落が起きてチャンスと思って大量購入すると、 取得単価が下がってしまい、 誤売却での利益がさらに膨らんでしまう可能性もあります。
逆に言えば、総平均法を理解しておけば 利益の調整のチャンスもあるということです。
今年はBTCの値動きも激しく、売却する機会がある方も多いでしょう。
暗号資産(個人売買)では
- 届出をしていない → 総平均法
- 移動平均法を使う → 届出が必要
というルールになっています。
そのため、売却する前に自分がどの方法で利益計算されるのかを理解しておくことが重要です。
私自身、今回の誤売却をきっかけに、この仕組みを改めて理解しました。
同じように暗号資産を保有している方の参考になれば幸いです。
特に暗号資産の売買では、 ソフトなどを使用しない場合は自分で利益計算をすることになると思いますので、 来年の確定申告で慌てないためにも、 事前に理解しておくことをおすすめします。
